[レポート] 未来へ駆け抜ける BMW と Qualcomm が AWS で構築する自動運転プラットフォーム #AWSreInvent #AUT202
re:Invent 2023 で行われた BreakOut セッション How BMW and Qualcomm built an automated driving platform on AWS (AUT202) に参加したのでレポートいたします。
ざっくり概要
BMWは 2025 年に生産を開始する新しい車両クラスの自動運転機能の開発を加速するために、データ管理とツールチェーン統合を実現する次世代の AD platform (automated driving platform)として AWS のクラウドインフラストラクチャを活用しています。このプロセスはデータの取り込み、アルゴリズムの訓練、大規模シミュレーションを含むデータ駆動かつ計算集約的な作業で、複雑なツールチェーンが含まれています。BMW が自動運転の実現にどの様に取り組んでいるのか知ることができます。
セッション内容
- 次世代 AD プラットフォームを構築する背景、AWS を選択した理由
- 次世代 AD プラットフォーム自体や、設計原則、構築要素
- ADAS データエンジニアが次世代 AD プラットフォームで行う開発過程
- データを視覚化する方法のデモ
オンデマンド動画
BMW とは
ドイツ語で「バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ(Bayerische Motoren Werke GmbH)」の頭文字を取ったもので、「バイエルン州のエンジン工場」を意味します。
ルーツは、航空機エンジンを製造していたミュンヘンのラップ原動機製造所。
BMW 車の外観の特徴としては、豚さんの鼻のようなキドニーグリルが有名で当時、他社の車両より目立たせるために開発チームが真四角が当たり前のラジエーターグリルのデザインを工夫したのだと言われており、時代と共にキドニーグリルは進化しています。
セッション内容で印象的だった内容
2025 年に始まる新しい車両として Neue Klasse という車両を BMW 目指す未来、 Vison として発表 3 つのテーマがあり、電動化、デジタル化、循環性があるとのこと。
高度な自動運転(L3)実現に向けて、Qualcomm と提携して共同開発している。
これらシステム全体を検証するには膨大なデータの収集、保存、処理、プラットフォーム上でシミュレーションする必要があり、BMW と Qualcomm はオンプレミス環境で学習してきた。
しかし、変化するタイムラインに適応できる IT インフラストラクチャが必要になり、より拡張性と柔軟性、初期投資を抑え、全世界のチームが簡単に連携でき、市場投入までの時間を短縮できるプラットフォームとしてクラウドを選択することにした。
そして、AWS を選んだ理由は、顧客のニーズを理解して良い PoC 環境を構築してくれたことのようです。
契約が締結された後も、AWS チームがミュンヘンにやってきてハッカソンを始め、狂ったようにコーディングをして 8 週間でプラットフォームを構築してくれたとのこと。
見習いたい...
自動運転(L3)が実現された BMW 7 series
Expo ブースにはセッションの冒頭で説明があった、高度な自動運転(L3)が実現された BMW 7 series が展示されておりました。
まとめ
高度な自動運転(L3)実現に向けて、より安全で安心できるシステムを開発するために、膨大なデータの収集、保存、処理、プラットフォーム上でシミュレーションするためのプラットフォームが必要だったり、世界中のエンジニアが関わっている背景を知ることができました。
これからはこういった見えない背景も含め、自動車メーカーが製造する車両の価値を感じることができそうです。そして、弊社でも少人数で集まりハッカソンして狂ったようにコーディングをしてプラットフォームを構築してみたくなりました !!